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カウンター (2006/4/4カウンター設置)
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奇想物体とホイットリング(Whymseys And Whittling)


Whymseyというのは、「奇妙なもの」という意味である。自動翻訳だと、「奇想」と訳される。
Whittlingというのは、木彫りのことであるが、特にトリッキーな造形を彫るときに使われる言葉だ。
同じ木彫りをあらわす言葉に、Carvingという言葉もある。
我々日本人には、カービングCarvingといったほうが馴染みがある。
Whittlingの場合は、どちらかというと、子供のおもちゃや工作のような稚拙なものを指したり、民芸品のような荒削りなもの、質の悪いものを指すようである。
そして、時には、パズル組み木、ウィムジーのようなトリッキーな造形物を指す場合にも使われる。
逆に、カービング(Carving)は、野鳥などを彫ったりするBird Carvingが示すように芸術的にも、工芸的にも装飾性の高いものを指すようである。
ホイットリングという言葉を知ったのは、一斉を風靡したドラマ「ツインピークス」である。
ご存知のようにこのドラマでは、森林や木材というものが重要なテーマとして語られ、その中で、ホイットリングの置物や小物が映像的に多く使われる。
さて、このホイットリングについて、精力的に幅広く書物を著したタンガーマン(E. J. Tangerman)という人物がいる。
ホイットリングには、ウィムジー(Whimsey)と呼ばれるトリッキーな物体が含まれているので、当然このタンガーマンもこれについて記している。これらは、Wyattが記したものと重複する部分が多いが、タンガーマンは、トリッキーなもの以外にも特筆した部分が多い。

どちらも日本語にぴったり該当するような言葉が見つからない。
今回は、このWhymseysとかWhittlingと呼ばれるものを題材にしてみた。

これは、木のやっとこでWhittlingの定番アイテムである。アクセントに木のリングを通しておいた。
どこにも切れ目はない。実用性は無いが、ちゃんと稼動する。
普通に木のやっとこを作っても面白くないのでちょっと遊んでみた。

(木のやっとこ)Wood Plier 

(ワンポイントアクセント!)
(木目がかみ合わない!?)

Whittlingの木のやっとこは、北米オレゴン州のお土産で買うことができる。
たしか、ポートランドの空港で土産店に10$くらいで売っていた記憶がある。
木のやっとこは、1本の木の塊から削りだして作る。
そのため、かみ合わせた部分の木目がつながっている。
やっとこは、鎖と並んでWhittlingの定番でもある。いざ作ってみると結構難しい。
交わっている部分は、ベンゼン環のような六角形をしていて、片方が片方を貫通している。
しかし、よく見ると、この物体は、かみ合わせても木目がかみ合わない。
手を抜いて?、別の方法で作ったからだ。
そして、分かりやすいようにわざわざ木目の向きを逆にしておいた。

次は、木の鎖の不可能物体。先端の錨(のつもり)には、ナットを通しておいた。
どこにも切れ目はない。


(Wood Chain and Arrow)
一本の木から鎖を作ることは、彫刻の技術を習得する上で大変良い練習になるという。
木目などを意識して彫らないとすぐにポキンといってしまうのだ。
立体的な構造を意識して設計し、彫り進めるることも要求される。
これは空間把握の良い訓練にもある。
また、造形が説明しやすく、適度な難易度が達成感を感じさせる。
幾何学的、工業的なモデルは、生物的なモデルよりはるかに正確さや均一性を要求される。
見た目のトリッキーさは、つい完成品を人に見せたくなるし、お土産や飾りに最適だ。
であるから、意外とこれが作っていて楽しい。

木工細工の教科書には、木の鎖を手本に上げているものあるし、木彫りの初歩を習得するにこれから始めた人もいるのではないだろうか。
しかし、一部の木工手本書には、この鎖を切れ目を入れて接着剤でくっつけるという指示が書かれていたりする。ここではあえてその書名を明かさないが、もうその著者の技量が推測できる。
ただ、土産ものとして売られている木の鎖には、生産性を上げるために切れ目を入れて接着剤でくっ付けたものがあるようである。その意味では、この著者の方法も間違ってはいない。

この木の鎖は、世界中で生産され続けている。
もちろんお土産、民芸品として重宝されているからだ。
インドネシアのバリは、木彫アートで有名だが、その中でも小スンダ列島のものは細工が細かいことで有名である。
北米のインディオの間でも昔から作られてきた。
これは、今でもオレゴンやテキサスの土産物として手に入れることができる。
アフリカのベナンでは、結婚の儀式に木の鎖が使われる。
国内では、北海道のアイヌに木の鎖を土産物として提供しているところがある。
もちろん、木材彫刻を趣味や仕事にしている人も作ることがある。

1900年代の初めには、木の鎖を作ることがブームになり、世界コンテストが開かれたことがある。
このようなものは、当時WhymseysとかWhittlingとか呼ばれて、いまでも欧米のオークションでビンテージ
として取引される。
特に、このような造形が瓶に入ったものは、Whymseys BottleとかPuzzle Bottleと呼ばれていて手の込んだ面白いものが多い。ダニエル・ローズ Daniel Roseは、一生に120の巧妙な奇想ボトルを作った。

これは、そのコンテストの模様である。おびただしい鎖の量である。
いったいどれほどの無駄な時間がこの作業に費やされたか想像を絶する。
なかには、鎖だけではなく、九連環や複雑なBall in Cageもみえる。


鎖も単純なものではなく、ごらんのように捻じ曲がっていたり、Ball in cageを組み合わせたりしてる。
伝説がいくつか残っており、アドルフ(Adolph Vandertie)は、2821のチェーンリンク(217フィート)を作ったされる。アーネスト Ernest "Mooney" Warther は、一生に750,000のやっとこを作り上げた。

木の鎖は、一見難しいようにも見えるが、基本さえ理解して計画的に作ればさほどは難しくはない。
木を最初に十字型に切り出す。次に、鎖の切れ目を入れて、穴を掘っていく。
最後に、鎖を切り離す。
最初から、鎖をひとつずつ掘り出そうすると邪魔になって作業できないから、切り離すのは、最後の最後である。実は、長い鎖も計画的に作れば、そう特別に難しいものではない。
鎖の形も2重にしたり、ハート型、やエンドレスの輪にしたもの、鍵、ボール、針金などがある。
また、鎖をモチーフにした造形にすると良い。よくあるのは、錨(いかり)や鎖につながれた人、知恵の輪、ベルト、ネックレスなど限りない。

これは、木で作った鎖に矢通しをしたものです。鎖から矢は外れません。
(木の鎖と矢 Wood Chain And Arrow)

(別の角度から)

これは、Whittlingの定番のBall in Cageです。
木枠の中に木の玉が埋まっています。振るとカラカラと良い音がします。
中の玉は取り出すことができません。どうやって作ったのでしょうか。
これは、正統派のやり方で作ったもので、一本の角材から掘り出してつくりました。
作るのはとても面倒くさいです。
Ball in Cageは、古くはウェールズのLove Spoonにその原型が見られます。
Love Spoon(または、Celtic Spoonとも呼ばれる)は、木のスプーンを木彫りで装飾したもので、籠の玉、鎖や連環、結び目などのトリッキーな造形が多く使われます。
ウェールズでは、このようなスプーンを恋人や夫婦で贈りあう風習があります。
古くは16世紀まで遡り、その形にはそれぞれ意味があるといわれています。Ball in Cageは、木枠が家や家庭、玉が子宝や愛を表現しており、永遠にそれらを留めておけるようにという願いがこめられております。
いわば、一種のおまじないやお守り、白魔術のようなものです。

(Ball in Cage)

こちらは、別の方法で作ったものです。木の玉の代わりにパチンコ玉が埋まっています。
振るとカチカチと良い音がします。中の玉は完全に埋まっていて取り出せません。
(Pachinco Ball in Cage)
パチンコ玉が埋まっているので、いっぱいお金が儲かりますようにという願いがこめられております。
並べるとこんな感じです。

さて、ウェールズや北欧に由来すると思われるこれらの物体ですが、なぜ、北米に伝わったのでしょうか?一説には、バイキングやアイルランドなどの航海を得意とする民族が北米に渡ったことがあるとされています。世界地図だとわかりにくいですが、地球儀でみると、北欧と北米大陸は、島伝いに行けばそれほど遠くは離れていないのです。北米に渡った最初の白人種は、コロンブスではなく、バイキングであるという説もあるくらいです。

参考文献:
「WHITTLING AND WOODCARVING」 E.J.Tangerman,Dover 1936
「Carving Spoons Welsh Love Spoons,Celtic Knots and Contemporary Favorites」 Shirley Adoler


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