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多層球

先日また骨董市に出かけたら、やはり象牙の多層球をまた売っていた。
今度は、少なくとも数箇所の店で展示されていた。
どれも目が飛び出るほど高いが、中には50層を超えるものもあった。
その中で多層球について少し詳しく記述してあるパンフ?があったので見て覚えてきた。
多層球は、広東省の伝統的な工芸品で、広東省だけで作られている。
多層なのは、その家系や世代を表し、層が多いほど縁起が良いとされる。作り方は、まず素材を厳密に選び抜く。
次に円錐状に堀り、そこを中心に周囲に球になるように彫り進める。
このように多層球を作った後、各層の上に絵柄を彫刻する。
最初に彫る円錐は、球の中心をめがけて約30度ほどの大きさ全部で12箇所均等に配置する。
これらの作業は、分担して行う。
素材を選ぶ担当。それを球に加工し、円錐を穿つ担当。
それを多層にきりわける担当。これは、薄い刃の丸のこ状のドリルで
円錐から周囲に彫り広げれば球を切り出せる。円錐で空けた穴は以外と大きいので、残りの表面積を切り出すのはそれほど苦ではない。
ここまではドリルや旋盤などを使い機械的に行う。
最後に球の表面に、「雲竜」や「百花」のような伝統的な模様を彫り込む職人。
円錐で空けた穴を綺麗に残す場合と、それを無視して造形する場合とある。
本場中国では、「象牙球」と呼ばれている。
中国のオークションや市場で今でも取引される。
古くは鬼工球と呼ばれ、鬼(のような職人)が作ったとされた。

1915年の万博の展覧会上で、広州の象牙球はかつて手工芸の特殊賞状を光栄にも獲得した。
1949年後に、象牙細工の技巧は著しい進歩がある。
象牙のボールは現在すでに45階彫ったことができて、幾重にも重なり合う人物、花卉、鳥獣をいっぱい彫刻して、本当に驚嘆させる。

人は紳士に騙されるのを好む

というのは、高名なマジシャン、ダイバーノン博士の言葉である。
この言葉は、マジックについて語ったものだろうが、他の多くの事柄についても真実だ。
紳士であることが一番のミスディレクションであると言っている。
逆に言えば、事象がどんなにアカラサマに嘘っぽく、眉唾物でも、それを紳士が語れば人は喜んで鵜呑みにしてしまうということだ。
実際、世の中には、胡散臭い、新興宗教や商法、エセ科学などが氾濫している。胡散臭さと夢やロマンは紙一重の違いでしかない。
不可能物体も同じで、紳士になって語る必要がある。
解りやすい写真、丁寧な説明、親切な態度、深い考察、そしてユーモアが不思議さに輪を架ける。