月別アーカイブ: 2005年6月

Chain

一本の木から鎖を作ることは、彫刻の技術を習得する上で大変良い練習になる。木目などを意識して彫らないとすぐにポキンといってしまうのだ。立体的な構造を意識して彫ることも要求される。
このため木で出来た鎖は、世界各地で生産されている。
もちろんお土産、民芸品として重宝されているからだ。
インドネシアのバリは、木彫アートで有名だが、その中でも
小スンダ列島のものは細工が細かいことで有名である。
北米のインディオの間でも昔から作られてきた。
これは、今でもオレゴン州の土産物として手に入れることができる。
アフリカのベナンでは、結婚の儀式に木の鎖が使われる。
国内では、北海道のアイヌに木の鎖を土産物として提供しているところがある。また、仏像の一部に木の鎖を使ったものもある。
もちろん、木材彫刻を趣味や仕事にしているひとも作ることがある。
1900年代の初めには、木の鎖を作ることがブームになり、世界コンテストが開かれたことがある。
木以外にも、玉やヒスイを使ったものは、中国の土産物でよく見かける。
一見難しいようにも見えるが、基本さえ理解して計画的に作ればさほどは難しくはない。
木を最初に十字型に切り出す。次に、鎖の切れ目を入れて、穴を掘っていく。最後に、鎖を切り離す。
最初から、鎖をひとつずつ掘り出そうすると邪魔になって作業できないから、切り離すのは、最後の最後である。
長い鎖も計画的に作れば、そう特別に難しいものではない。

逆遠近図法

先日京都まで「動く襖絵」というものを見てきた。
山科にある毘沙門堂というお寺にある。
いわゆる八方睨みの竜は、他の場所でもみることができる。
以前に水上勉の「雁の寺」として有名な相国寺でも見たことがある。
他にも何箇所あるそうだが、この毘沙門堂にはその元になったものがあり、龍以外のものも展示されている。他の絵師はここで勉強をしたそうだ。
人通りも少ないので時間をかけてじっくり堪能することができる。
逆遠近図法という独特の図法で書かれているそうだ。
実際に絵が動くわけでなく、見る人の視点により、そのイメージが変わってくるのだ。
長いものが細くなったり、ずっとこちらを見ているような気になったりする。
だまし絵の一種であるが、西洋のだまし絵にはない手法である。
見る側に写実性を要求しないで、見立てなどを基本としないと思いつかない手法だろう。
遠近図法とはことなり、その焦点が手前にあるので逆遠近図法なのだろう。このため見る位置により、絵の印象が異なるのだ。
3D映像を片目で見るのに似ているかもしれない。
しかし、絵の内容や構図を工夫することで、机の長さが変わって見えたり、老人がずっとこちらを見ているような錯覚におちいるので、構図だけの細工ではなく、巧妙な心理的トリックが隠されているのだろう。
よくよく見てもどうしてそのように見えるかが解らない。
一応絵葉書などを買ってきたが、これが絵はがきだとさっぱり動かない。
襖絵にして始めて動くのだ。目の錯覚を応用したものか、それとも心理学的な作用なのか。
しかし、他の騙し絵にくらべてこの知名度の低さはなぜだろう。
トリックアートや騙し絵の類は数々あれど、この逆遠近図法は取り上げられたことが少ないのは悲しいことである。
昔の人はこのような手法をよくも考えついたものだ。
絵に命を吹き込むために知恵を絞り、ノウハウを蓄積し、技を磨いただと思うと大したものである。

秋葉原

先日、出張で秋葉原によった際に、コスモによって不可能物体を置いてきた。実物を見たい人は、ぜひコスモによってください。