輪違いにて候(Wachigai Daikon)

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先日、NHKの「 江戸の頭脳に挑戦〜粋な遊びのテーマパーク〜 」という番組でなんと「輪違い大根」が実演されていた。
話には知っていたが、実際に実演で見るのは初めてだ。
こんな手の込んだものを造る料理人も現代ではいないと思っていたがまだまだ現役であったようだ。
「輪違い大根」は、このサイトの背景画像にも使っている繋がった大根のことだ。

Last day,I watch TV show in NHK(Japan),I found 'Wachigai Daikon' which is a linking radish rings no cut no glue so that is a Japanese traditional impossible cooking between traditional  cook long time.
'Wachigai' means 'Chained' and  'Daikon' means 'Japanese Radish'.

(Radish Linking Rings from Japanese Old Cooking Literature)
この図は、古い文献に載っているもので、幕末から明治初頭のものと考えられる。
This is a old Japanese literature about 200 years ago.
It teach us  how to make Linking Radish Rings.

蘿蔔(だいこん)を輪違(わちかい)に切(きる)相傳
塩水(しほみづ)に漬置(つけおき)、それを
十文字(じうもんじ)に切(きり)、それより
小刀(こがたな)にて切ぬく
なり
又(また)、色々(いろ/\)の
細工(さいく)も是(これ)に同(おなじく)すべし

(協力 半魚文庫さん) 

It says
'How To Make Linking Radish Rings'
Now a radish put into salt water and cut it cross shape,and cut it out rings by small knife.
And same method may use anyone else.   

と書かれている。
塩水に漬けて、柔らかくしてから細工をするようだ。
また、大根以外にも試すと良いと書かれている。

古くは、江戸時代1785年ごろの「大根一式料理秘密箱」には、「わちがひ大根切方」としてその作り方が載っている。
また、同じ頃の「大根料理秘伝抄」には、「輪違大根切方」としてより詳しい切り方が載っている。
この本では、輪違い大根が別格で最後のトリとして登場します。
これらを見ると、この絵のような連環ではなく、2つの輪が繋がる物を造ったようだ。
食べて無くなるものに、これだけの労力をかけるのは、その粋さには恐れ入る。

The Oldest literature about 'Wachigai Daikon' is  'Daikon Ishiki Ryouri Himitubako'(1785) in the Edo Period.
 'Daikon Ishiki Ryouri Himitubako' means 'The Radish Cooking Secret Box'.
and in same term,'Daikon Ryouri Hidensho' show this cooking recipe.
'Daikon Ryouri Hidensho' means 'The Radish Cooking Secret Recipes'.
 'Wachigai Daikon' is not nonsense. This is one of the Edo people mind we called 'Iki'.

番組では、この図と同じような連環を造って実演していた。
この作者は、長島博さん。

「 江戸の頭脳に挑戦〜粋な遊びのテーマパーク〜 」より「輪違い大根」
'Wachigai Daikon' Radish Linking Rings From TV Show 
It was made by Hiroshi Nagashima Japanese Traditional Cook. 

http://www.youtube.com/watch?v=jUop0J5VPZE

他にも、「黄味返し」も実演していた。
多くの企画ものやTV番組が挑戦しては失敗を繰り返してきた謎の料理である。
有名なのは、「万宝料理秘密箱」に「黄味返し卵の仕方」として載っているもので
「地たまごの新しきを針にて頭の方へ、一寸ばかり穴をあけ、さてよく糠味噌へ三日ほど漬けおきて取り出だしてよく水にて洗い、煮貫にすれば中の黄味が外へなり、白味が中へ入る。是を黄味返しといふ」
とある。
番組でやった方法は、是とは少し異なり、文明の利器を使った方法で、少々遺憾に思った。
近代の道具を使うのはちょっとずるいよね。
さて、「黄味返し」には別法が知られている。多分こちらが、正解ではないかと思う。「先ず玉子をとりて、黄と白とを取り、別に一つの玉子をとり、之に穴をあけ、汁を吸出して空玉子となし。さて、先の黄ミを漏斗にてつぎこみ、その中へ白ミを注入し、穴をふさぎ、湯がけば黄ミ白ミ入替わりて黄ミ返へしとなるべし。」

さて、「黄味返し」は大変有名なびっくり料理なのだが、この「万宝料理秘密箱」には、まだまだ変な卵料理が登場する。
少し紹介すると、
「金糸卵」本当に金糸を使って造った卵焼き。同じく銀糸卵もある。そのゴージャスさにびっくり。
「山吹卵」黄味返しに似ているが、ゆで卵の表面に黄身を塗って山吹色にしたてたもの。黄味返しだと思ったら、普通のゆで卵でがっかり。
「饅頭卵」ゆで卵の黄身を抜き、小豆を代わりに入れたもの。ゆで卵だと思ったら、あんこが出てきてびっくり。この逆で、鶉のような小さい卵にあんこをまいた「小豆餅卵」もある。餅だと思ったら、ゆで卵でがっかり。
「角切卵」は名前の通り、立方体に形取ったゆで卵。卵でサイコロでもつくるのでしょうか。
さらに、6角形に形取った「六角煮抜卵」もある。
「大煮抜卵」は、大きなゆで卵で、卵を白味と黄味に分けて、それを2重の竹の細長い筒にいれ、別々に白味と黄身を入れてゆで、超細長いゆで卵を造る。などなど。

他にも、現代の玉子豆腐、カステラ、メレンゲ、茶碗蒸し、玉子ボーロに通じるものももちろんある。
さて、金糸玉子ですが、この他に、髭玉子、白髪玉子、青玉子、紅玉子と組み合わせて、5色の糸を作り、糸巻きを組み上げるとある。このために、順にこのような玉子料理を解説していたのです。
玉子で糸巻きを作らないといけない目的がさっぱりわかりませんが、まるで大した労力です。
他に、筏玉子は、玉子でイカダをくみ上げる。金平糖玉子は、白味を水滴のように落としてゆで、砂糖をまぶす。
など形にこだわったものもある。
そして、この玉子百珍のトリの一品が、なぜか、「玉子を殻ごと切る仕方」でこれは既に料理などではなく、まるで宴会芸なのです。
玉子を殻ごと15枚にオロスことができるとあります。

また、「豆腐百珍」には、「結び豆腐」というのが登場します。
「細く切り酢に漬けていかようにむすぶべし」と書かれており、豆腐を細く切り、酢に付けてから結び、水に付けて酢抜きをするとある。
同じように「結び大根」大根を細長く切り、結んだもの。「芋百珍」にも、「結び芋」が登場する。
なんでもかんでも結ぶのが好きなようだ。芋や大根はともかく、豆腐を結ぶ技にはちょっとびっくりです。

何の目的でこんな手の込んだこと料理を拵えるのかさっぱり理解不能ですが、多分からくりや手妻も観るときに出されて、場を暖めるのに使われたのでしょう。、

NHKさんもっとこうゆう番組の提供をお願いします。

追記

先に紹介した「実践むきもの教本―華やぎと季節感を演出する料理用むきもの150種」の出版元の柴田書店さんから、
この本は、あくまで実践的なむきものの教本であるので、その旨の記述になっているというご指摘を受けました。
一般的な料理の場面では、極端に手間のかかる「輪違い大根」は全く覚える必要のないものです。
著者および出版社の方々に、失礼がありましたことをお詫びします。
また、同出版社からはむきもの入門―すぐに使える基本とアレンジ88という本が刊行されており、この付録のDVD付きの中に“特典映像”として「輪違い大根」の大まかなプロセスを紹介されているそうです。
「輪違い大根」について、その具体的な造り方に興味のあるかたは、こちらをご覧ください。

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